先日出かけた、同じ会期の手工芸展二つ。
昨年までは、どちらにもこぎん刺しの展示がありましたが、
今年は違いました。
手工芸作品展では、クレイアートや絽ざし、手まり、七宝などが目に留まり、華やかな印象。
ビーズ織の大きなタペストリーが圧巻でした。
技術や色の選び方、ただただ圧倒されました。
手まりの一つは、球面にどうして景色を表現しようとしたのか?
でも、確かに伝わる色柄になっていて、脱帽。
絽刺しや七宝は、同じ素材を使いながら、表現も雰囲気も違うものが並んでいて、見入るばかり。
創作手工芸展では、こぎん作品がいつになく多く、
遊佐刺し子とともに、落ち着きを感じる空間を作りだしていました。
大きなタペストリーは、こうした展示の場所でとても映えます。
斬新な発想の色柄だったり、布の色と紛れる色糸で地を刺してあったり。
限られた模様の中から、どうしてこんな?と思うチョイス、
思いもよらないような素敵な作品が幾つもありました。
本が出版され、広まってきたのでしょうか、
あまり目にしないスウェーデン刺繍も3点。
1点は、箱に入ったたくさんのブローチ。
こうした出品方法もあるのですね。
これも、思いつかないものでした。
昭和初期の裁縫の教科書や、それを使った世代の方の作品もありました。
中でビーズのバッグを作った方は、一つのデザインにつき、三人の娘ともう一つの計4つ必ず作っていたのだとか。
愛の深さと確かな技術、それに応えるようにきれいな状態の品々…
作品や技術だけではない、大事なものを見せていただきました。
私は刺すことばかりで、その先を考えていなかったのですが、
おぼろ気ながら、形が見えてきた感じがします。
今回観ることができて、本当によかった。
エネルギーをたくさんいただきました。