おやまーの日々

好きなもの、気になること、日々あれこれ

重要文化財を観て

梅雨の走りのような陽気。

となれば…

見物に行こう!

鎌倉もいいですが、近所で充分楽しめます。

 

そうそう、今月初めにこの展示を見ました。

(終了しています)

東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密 - 東京国立近代美術館

展示されたすべての作品がとても見応えのあるもの。

受け取るこちらのパワー不足を感じましたが(混雑にもやられた)、

すごい体験をした印象が残っています。

 

横山大観の長い長い作品「生々流転」、40m続く画は凄いというしかなく。

全部見えるように展示する気概(ケースを作る技術含む)とが合わさって、

実現したのだなと。…なんでしょう、この熱意は。

作品にしても、用紙や下地がしっかりしていて(巻物にできるしなやかさ)、

完成に結びついたのだなと。…裏方も褒めますよ。

思わず用紙をじっくり見たら、3mほどずつ継いであり、

さすがに継ぎ目近くなどは、筆の線がちょっとずれていたりして、

ふふっと息抜きしたような感じでした。

 

その点、工芸や彫刻はどこから見ても隙がなく、

立体をどうして隙なくできるのか、不思議です。

七宝作品は平らでしたが、釉薬を使い描くので、

焼き終えるまで色はわからず、絵画より手がかかるもの。

注目する人が少なかったのは、前半の絵画で疲れたせいかも。

…工芸びいきの私。

工芸の分野は遅れて認められるようになったと知り、

この展示で美術史の一端を肌で感じとったように思いました。

日本画と洋画の違いもよくはわかりませんが、

開国して海外作品に目覚めた明治時代、新しい技法を使い始め、

評価する側の見方も定まっていない中で描き続けた人たちが

洋画界を拓いたのだなと。

鮭は何度も見ていますが、ひと味違って感じられました。

(意外と大きかった←寸法も)

麗子像に血が通っているように思えて、会えてよかった。

 

様々な余韻を残した展示。

鏑木清方にも会いたかったけれど、いずれご縁のあるときに。

切手サイズで思い浮かぶ小林古径の髪の実物に会えて、

しばらくお腹いっぱいという感じ。

あ、工芸は別腹です。