落葉の舞う季節、不定期となった小さな旅へ。
五井駅では、赤い2両が待っていました。
空いていたボックス席のひとつに座り、出発進行。
11月下旬というのに暖かく、窓を開けようとしたら、お、重い!
何とか少し開きましたが、古い車両はこんなにも重いのかと。
昭和の時代は非力の者が生きていくのは大変でしたが、こんな大変さもあったのかと。
妙な感慨がありました。
駅ホームにはコスモスの花や繁る野草、
沿線には柿色よりも赤い実がたわわについた樹やほわほわの枯れススキ、
黄色く尖ったアワダチソウや秋色に染まった樹、
田んぼは乾いて枯れ色が広がります。
初冬へ向かう穏やかな車窓、快晴の下輝いていました。
通っていた上総牛久を過ぎ、旅気分が上がります。
無人駅を守るようなイチョウの大樹が黄金に染まっていて、降りたくなったり、
暗くなると灯るのか、メリークリスマスの電飾が駅舎に付いていたり。
それぞれの駅の風情が楽しく、あっという間に目的地へ。
初めての高滝。
この路線を乗り継ぎ以外で無人駅に降り立つのも初めて。
幾人か降りた人はいましたが、駅員さんがいない心許なさと、大いなる静けさがありました。
駅舎や周囲を見回しても、地元の方がいないのは平日だからでしょうか。
高滝湖方向へ行く前に、郵便局へ向かいました。
大胆な地図からすると、たぶん…、
と歩きだしたものの、商店街もなく、迷子になったら?
文明の利器は強い陽射しの下では画面が見えませんが?
とはいえ車は時おり走っているから何とかなるさと思いつつ、
信号のある四つ角を右折、さてさて。
郵便局発見。
白い壁にPOST OFFICEの黒文字、赤いボストが映える局舎。
ガラス面が大きく、シンプルですてきな趣きです。
風景印を押印いただき、高滝神社への道を尋ねて、進みます。
郵便局から戻り、先ほどの四つ角を直進すると、踏切を越えて登り坂がゆるく曲がっています。
樹が繁るこの小山の上に神社があると見当がつきましたが、横から入る参道の階段に少々おびえ、とにかく正面を目指します。
下り気味の道の先、視界が明るく、水面が見えてきました。
おぉ、いい眺め!
正面の湖と向かい合わせになるように、大きな鳥居と参道がありました。
こちらも階段ですが幅が広く、まっすぐ本殿へ向かいます。
登っていくと、龍や鶴などが彩られたお社がすてき
絵馬かけには、トロッコ列車が描かれた絵馬
安産や子育てのご利益にちなみ、地元に伝わる手製の品が由来とともに飾られていました。
縁結びのご利益もあるそう
広くはありませんが、ゆっくり時を過ごしたくなるような、いい雰囲気
正面の狛犬さん、朗らかに笑っているようです
わはは、いひひ、かな?
もう一対の狛犬は、横顔しか見えませんが、キリりとしていました
階段の行き来が必要で、
大鳥居から階段までは砂利道、
足が不自由な方には厳しいところ
体力の乏しい私もプチ登山でした
食事のできるところは、そばの蕎麦屋と寿司屋
古きよき日本の風情が感じられます
これで丸ポストがあれば申し分なかったけれど
小さな14号ボストが近くに立っていました
この先から駅へ行かれないかと湖沿いから線路の方向へ行ってみました。
列車の音が聞こえてきたので、その方向へ進んでみましたが
起伏の様子がわからないのと、時間がかかると暗くなるので、元の道を戻りました。
紅葉の美しいこの小さい葉は…、カエデの1種?
駅舎横にありました
駅名の手描きが味わい深い
書き手さんに拍手
簡単に印刷や転写ができる時代ですが、続けてほしい
暗くなる前の列車で戻ります
途中、ロングシートが高校生で埋まり、日常へと帰っていきました
朗らかな狛犬さんに出会った記念日、かな
*
こみなと待合室へ寄り、高滝駅舎の絵葉書を購入
行きに求めて風景印を押してもらえばよかった
喜びそうな人の宛先を用意して送ればよかった
初めて見た絵葉書20枚セットも気になりましたが、またいずれ
トロッコ列車があるうちに来ることにしましょう