以前、偶然知った場所です。
京成中山駅から歩いて行けますが、少々遠く、
住宅街の細い道、途中の登り坂で息が上がり、
バスにすればと後悔もする道のり。
かわいい建物を見れば、それも忘れ、
穏やかな時間に身を任せて気持ちが落ち着きます。
ナニワイバラの花が咲いていて、季節の進み具合に驚きながら入館。
今の展示は、緞帳にする技術と、使われた絵(下絵や版画)など。
魁夷の絵よりも用いられたことに焦点が当たっているようで、
絵を堪能したい私は少々物足りなく感じましたが、
魁夷の別の面を知ることができました。
二階の展示室には青色の作品が並びます。
沖合から寄せてくる波を描いた作品、
霧が立つ針葉樹の景色の作品など、
大きな画に囲まれ、ひととき静かに満ちました。
山と海が一度に見られるなんて贅沢。
カフェで一服。
テラス席が気持ちよさそうですが、外は風強く…
室内もよき雰囲気。
たっぷり量のあるポットティーでした。
庭から退館。
シャクナゲに目を奪われましたが、こんな花も見つけました。
アマドコロの花も見つけ、小さいけれど折々に楽しめそうな庭、
季節を変えてまた来たいと思いました。
中山といえば、中山法華経寺。
桜は散っていましたが、さぞきれいだったことでしょう。
行き来する人はまばら、満開をイメージで楽しみました。
境内に、東山魁夷記念館の道案内の表示があり、
たどっていくことができます。
記念館の前にはバス停があり、
JR下総中山に発着し平日日中に1時間に2本(2023.4月時点)。
次来るときは行きはバスに乗ろうかな。
*
記念館の場所に住んでいたという東山魁夷夫妻。
ご自宅が隣接していたことを後で知りました。
記念館は、魁夷が亡き後に建てたものだそう。
てっきり魁夷も使ったものと勘違いしていました。
魁夷の日本画作品は、長野県に多くあるようです。
優れた絵を保存、管理していくのも苦労するもの。
費用もそれなりに嵩むことでしょう。
ここは東山魁夷という人や実績に触れる場所と思えば、
展示内容に納得がいきます。
美術の教科書にあり、その絵を見たことのある人は多いでしょうが、
複製だけで知っているというのも何か違うような気がしています。
これを機会に肉筆画もこの目で見、感じてみようと思いました。