暖かな日和を幸いに、会期終了の迫った催しへ。
裂が語る物語
共立女子大学博物館での展示(明後日14日まで)は、
桃山時代~江戸時代の染織品や名物裂(海外からの品)、
見本帳や押し絵など当時の様子が見える品が並びます。
展示数は少ないものの、復元されたものや、
保存のよさが偲ばれる貴重な品々。
全体に豪華な刺繍のある着物や帯に、どれほどの手間と時間がかかっているかと、圧倒される思いでしたが、
何度も展示を見返して気づきました。
当時、花鳥風月を美しいままにして、身にまとう手段は、これしかなかったということに。
現代の技術では、カラー印刷で振袖の布に柄をつけることもできます。
でも当時は、単色で染めていたので、色を何度も重ねて染めるよりも、
刺繍糸の色を変えながら刺し埋めていく方が確実だったのではないか。
重ねて染めて、ズレれば着物一着分の布が使い物にならなくなるから。
今さらかもしれませんが、展示品から教わりました。
今の時代に刺繍をする意味は、当時とは全く異なります。
写真や映像や品物、美しいものが身近にいくらでもありますから、
手間をかけた手工芸の価値が低く見られても仕方ないかもしれません。
そんな時代に、手仕事をする意味は…、
私は、連綿と続いた営みを通じ、昔の人たちと繋がっていたい、
繋いできた知恵を、保ち、伝えたい。
それしか今は言えませんが、様々な想いが私の中にあることに気づかされました。
帰り、寄り道をして、春の花を見つけました。
満開の寒桜!わかりますか?
河津桜も楽しめる時期ですね☆