毎年の催しで出かける浅草。
前から気になっていたお店に入ってみた。
紀文という名に、はんぺんなどを思い浮かべた私。
全然違いますから(当たり前)。
人形焼きを売る脇の階段を登りきると、ドアが開く。
年配の店員さん、内装も昭和レトロな風情。
あんみつを頼み、少しすると、温かい緑茶とともに出された。
果物の量は少々寂しいが、
甘味が控えめでよろしい。
いや何よりもいいのは、使っている水が美味しいこと。
寒天が澄んだ味がする。
お茶も風味がよく出ている。
最初に出された水も、まろやかだった。
ああ、昭和の誠実な店だ。
今は生息域が狭まり、稀少種になりつつある、そんなお店なんだ。
店の様子がわからず、階段を上がるのは勇気がいる。
だけど、バリアフリーなら、風情を残せなかっただろう。
お店自体残らなかったかもしれないな。
味わえて、よかった。
*
来年の手帳カバーにすべく、黒田屋で和紙を選ぶ。
ここの和紙は、厚手で手触りが温かい。
素敵な柄がいっぱい。
一つに決められず。
写真のどれかがお供になります。
右上にちらっと見える赤いのは、今使っているもの。
訳あって、使い回して2年目。
角は磨り減っても、平らなところは汚れもせず、
手触りも変わらず温かく。
だから透明ビニールよりも、和紙はすきだな。