おやまーの日々

好きなもの、気になること、日々あれこれ

お雛様に会いに


3年ぶりでした

間に合いました。

三井美術館恒例のお雛様の展示に。

いい顔をしたお雛様、細やかな素晴らしいお道具に見入り、

大きく飾り付けられた段飾りに感嘆し、

思いがけないほど精緻な工芸品の手わざにため息。

 

銀色の小さな道具の大きさは、小指の爪の半分もなく、

そこに模様も入っていて、豆道具というより米道具。

漆塗りの道具も見事な細工。

さまざまな道具にそれぞれの謂れがあるのでしょう。

公家風、団子顔、立ち雛、お内裏様も様々、

官女や五人囃子も穏やかだったり、しっかりしていたり。

仕丁は酔っ払いなので行儀が悪いのはお決まり。

その表情を見るのも楽しく。

どれも細やかに仕上げられ、手入れされて、

頼んだ人、作った人、飾り、保管してきた人たちの思いのリレーが

今ここにあるのだと感じました。

 

御所人形もたくさんあり、

むちむちのふくよかな手足を見て、

肥えて丈夫に育ってほしい、という願いが強かったんだと感じつつ、

邪気のない笑顔に癒されました。

大名行列の御所人形は、五十三体だったかな。

人数も目を惹きますが、持ち物やそれぞれの表情や仕草が細やかで、

中には草鞋を履き直している子も。

楽しくて見飽きません。

 

他の品々も興味深く、

花見で酔っ払う男女が、桜の絵の中に貼られたような掛軸があり、

見事な装画でした。

表装は裂を使うものと思っていましたが、

画を活かす柔軟な発想をしていいんですね。

それにしてもセンスに脱帽。

 

ミュージアムカフェは今はなく、

代わりにショップを堪能しました。

展示に合わせてお雛様もありましたが、

お茶道具の中に、こぎん刺しの品とこぎんの説明を発見。

麻布と思われる数寄屋袋で、糸が細いのか繊細な感じの品。

武家や商家のものだった茶道、

農民の用の美からこぎんはここまで来たのかと、感慨が湧きます。

時代はそれだけ変わったわけですね。

昭和時代、20世紀って、自分が年寄りになった気がするなぁ

私の過ごした時の中から次世代へ何が残るのか、と思うと、

少し考え込んでしまいます。

よきものがたくさん伝わりますように。