おやまーの日々

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板谷波山展-出光美術館

感染者が増える中、観ておきたくて、

先日、出光美術館へ出かけました。

生誕150年になるのですね

時間指定でゆっくり観られるはず、でしたが、

16時閉館なのを見落とし、着いたのは閉館30分前。

出直してもいられず、駆け足でした。

 

白磁にもやがかかったような色合いで描かれた花木。

そんな代表的な作品を観たことがありましたが、

こちらではその技法が生まれる以前の作品をはじめ、

茶器、スケッチ、帯(*)など、波山の様々な面を紹介していました。

*(昔は和装の帯に画家などが絵を描き、親しい人に配ったらしい)

 

陶器に描かれた植物の美しさは、

植物に関心をもち多数のスケッチをしたからこそ。

掛け軸にされた画からも描写力を感じます。

でもどうして壺全面に描いて破綻せず仕上げられるのか。

人間技とは思えなくて、じっと見入るばかりでした。

 

波山作品にしては珍しい色柄(写真左の絵はがき)は、

隙のない作品多数の中で、ユーモラスな感じでほっこり。

鹿に見えたけれど、アジアがモチーフの水牛でした。

日本の感覚で判断しては見誤りますね。

 

茶道の茶入れや茶碗にも惹かれました。

特に「命乞い」の銘の茶碗の色かたちの美しいこと。

理想の高い波山が破棄するところを逃れたようですが、

どこが問題なのか…。

じっくり眺めていたかった。今回一番の心残りです。

 

優美なかたち、美しく濁りを感じない色にたくさん触れて、

駆け足で見てきた暗い展示場を抜けると、大きな窓が輝いていました。

お堀の水面のきらめきと皇居方面の緑が広がる景色。

館内ロビー傍らの茶室には、茶道具の展示。

一瞬一会を胸に刻み、案内の方の誘導に感謝して、美術館を後にしました。

 

8/21まで。

板谷波山展はこの後、他美術館でも開催されるようです。

インターネットミュージアムでも紹介されていました。