こぎん、菱刺し関連の展示の記録
こぎん刺し、菱刺しから始まり、東北の衣類、裂織、
ふとん地やかいまき、素材別の糸・布の展示など、
布がテーマの博物館展示でした。
今回は見た印象をざっくり記し、
次回は図録などで改めて感じたことを記します。
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美しいこぎん・菱刺しの衣装。
刺した部分のみの布の展示では、
刺し糸の折返し部分も藍白のコントラストが美しい。
色あせも色落ちもないのはどういうことかと不思議に思う。
ガラスの向こうの衣装は、よそ行きに見える。
触れられないまでも、直に展示があった時には
どこか人の息吹のようなものを感じたが、
手芸や着衣として見せる機会とは違って、
これが歴史の、博物館の展示なのだね。
青森の衣類。
布を切り替えた袖なしは、シュッとして素敵なデザイン。
アイヌの衣類。
模様が目を惹く。
庄内さしこや会津のさしこの衣類。
生活の工夫や、図柄の見事さ。
麻布への型染。
細かな模様を染める技術の高さ。
かいまき。
わたが詰まっていて、重さ13kg…⁉︎
…まとったら身動き出来ないなぁ
(十二単も重いというけれど、これは働く人の着るもの)
いくつもの布が使われていても、全体がまとまる不思議。
化学染料や化学繊維とは違って、元は同じというか、
植物繊維が染まる(抱ける)というフィルターがかけられているからかも。
汗はじき。
体に対するいたわりと知恵なのだね。
肉体的な労働から離れ、冷暖房の中に暮らす身には思いつかないもの。
大麻布のスタンドカラーシャツ
ボタンはガラス製。手縫い。
形は今と変わりないが、プラスチックのない時代、
ミシンも一般的ではない時代。
しっかりした大麻布、厚手木綿に雰囲気が似ている。
シンプルな白(生成り)の上下の衣装も白ガラスのボタン。
こんなおしゃれ着を着たのはどんな人?
糸の前の状態や布があって、
触れられないので、目で見るが、風合いは触って確かめたかった。
太布、草木布なども。概観を網羅していた。
織り方で違ってくるだろうなと思うのは、作り手の視点かも。
特別出演、芭蕉布の長着。
やっぱり触って違いをみたかったなあ。
展示は撮影可能でした。
撮りたいものはほぼガラス内で、非力のカメラでは手が出せず。
タブレットで撮影する猛者を見かけましたが、マネできません。
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常設展を覗きましたら、横浜彫刻家具の小展示。
明治大正の一時期、宮彫のような彫刻を施した和洋折衷の家具を作っており、
主に輸出用で、国内で見る機会はあまりないものだとか。
たわわに実るぶどう、素晴らしい彫刻の揃いの家具でした。
こんな家具が揃ったお宅、想像できません…
貴重なものを見せていただきました。
明治維新で廃仏毀釈が起こり、職人が窮地に陥ったりしたのでしょうか。
ぶどうは、もしかしてキリスト教を意識したもの?
邪推かもしれませんが。
明治の人たちがリアルでした