おやまーの日々

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日展2020

昨日はこぎん刺し目当てに日展へ。

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陶芸や漆、木工、竹工、染色、などなど

様々なものが並ぶ工芸美術の部屋。

それぞれの放つ熱気のようなものを感じながら、

閉館まで1時間足らず、

流し見ながらお目当ての作品を探しました。

 

こぎん刺しの入選は、3点。

貴田さんは、山と鳥を例年のように表現していました。

ただ、今年は黒々した地に白糸でした。

現在の世界はこんな風に見えているのでしょうか。

 

初入選の松田さんは、輝くような色が印象的なタペストリー。

濃淡の青から緑、黄色の糸をぼかして使い、

生成の布いっぱいに世界が広がっています。

私には花ともステンドグラスとも思えた模様ですが、

タイトルに意表を突かれました。

 

鎌田先生は、津軽の冬というタイトル。

黒布に、しんとした感じの色合いと模様。

ひし形を活かしながら、松田さんの明るさと対照的です。

 

三者三様の作品、 貴田さんはパネルですが、

他の二人は刺した布一枚(上下は棒を通しています)。

染織作品もパネル仕立てなのか、布だけではなかったと思います。

そう思うと、飾ることなく この身が全てと、凛とした人に似て、

何というか、潔い。

 

日本画もささっと見ましたら、特選が二つ目につきました。

こぎん刺しは入選するのは難しいだろう、と感じました。

工芸自体、多様な手法での表現、

それを一律に評価することはできるのかどうか。

ただ主催者としたら、評価しないわけにはいかない。

そう思えば、特選かどうかなどと、

ひとつのモノサシで見てはいけないのでしょう。

むしろ、絵画や書、陶芸などと違って作り手が少ないのですから、

入選自体が素晴らしいこと。

それが3作も入選したのですから、すごいことではありませんか。

少々ひいき目も入っているでしょうが、

評価は見方でいくらでも変わります。

 

自分に対する評価も、同じですね。

生きていることは、この世という展覧会で入選。

生きていることは、この世という舞台の出演者として合格。

 誰もができることではない、ですね。

 

 

 

乃木坂駅から美術館へ向かう通路に、

今年は案内の人がおり、検温もしていました。

換気されているとは思いますが、地下の薄暗い空間、

健康を害さないか、少し心配になりました。

おかげさまで、ひとときを満喫することができました。

どうもありがとう。