今年も来ました、日本橋三越。
様々な分野の伝統工芸が集う催しは、
人との距離をあけるよう注意を促されつつの鑑賞。
興味の薄い人形は、素通りしましたが、
その他の分野だけでも、ボリュームが。
陶芸では、大きさ、優美な形や、色に目を奪われます。
中でも印象的だったのは、組皿の紫。
きめの粗い黒の地に、美しい紫色。
陶器のきれいな色は、どうすると生じるのか。
知識が乏しいので、不思議でなりません。
今右衛門の大鉢に銀線で描かれた形が星形かと、
斬新に思いましたが、名札には紅葉文と…、
やはりそうですよね。
でも少々残念なような。
好きな染織では、組ひもが数点と目立ちます。
佐賀錦も一点。
他は着物地、帯地でした。
小紋染めの細やかさや意匠、
友禅のおおらかさ、大胆さ。
刺繍の細かさと図の確かさ。
織物のさりげない技や色づかい。
中でも小倉織の築城さんの竹柄の帯に脱帽。
紅型着物の全面に施した菱形から小魚が覗くように見える作品に、
とても心惹かれ、着てみたくなりました。
久留米絣の「光芒」は、立ち止まらずにおれない、
気持ちを打つものがありました。
木工の木目を生かす形や見出だす技、
竹工のしなやかで繊細な編み目や形、
金工の細工や打ち出した美しさ、
ガラスや七宝の明るい作品の数々。
切り子の大鉢に施された細やかなカットが作り出す煌めき。
漆芸の肌や描かれた意匠や肌の磨き抜かれた美しさ。
語り尽くせないほど。
展示総数564作品。
以前は新館側にも展示がありましたが、本館のみの展示。
となると不思議と、もの足りない気がしてきましたが、
困難の多い中での開催に感謝です。
*
新館に、ビックカメラの家電売り場があって驚きました。
書店や食堂はなくなったのですね。
(本館催し物会場の食堂は変わらず)
他にも売り場の様子が変わっていました。
これは変わりません。
いや、変わってはいけません。
こちらも、あえてレトロなんでしょうね。
左の現代のディスプレイとも馴染んでいます。