こぎんの模様は奇数が基本。
中に、偶数の模様がいくつかあります。
その一つが、そろばん刺し。
チクチク、花を咲かせてます。
私が憧れている先生の作品に、大きな雪の結晶を描いたタペストリーがあります。
淡い寒色と白の見事な作品、それが同じ刺し方でした。
そして教室の仲間は、同じ色、同じ材料で、ビルを描いていました。
色の使い方、区切り方だけで全然違ったものに見えて、驚きます。
こぎんをやっていて思うのです。
この色の糸を、どこにどれだけ使うか。
この刺し方を、どこにどれだけ使うか。
どう組み合わせるか。
それだけで、千差万別に、個性になる。
それが表現なのだと。
歌をうたう、絵や書をかく、そういったものを自分の表現と思いがちなのですが、
生活の中のささやかなこと一つ一つで、何を選ぶか、どれだけやるか、
それも個性であり表現なのだろう、と。
ふだん自分がどんな表現をしているかと思うと、赤面もの。
きっと周りには見えているのでしょうね。
自分の今の表情が自分では見ることができないみたいに。