先日、チケットを貰い、こぎん刺し目当てに出かけた。
大きな展覧会。展示室をいくつも使い、大きな作品が多数ならぶ。
お目当てのこぎんは、どこにあるのか。最終日で出品リストは品切れらしい。
宝探しのようにみていくと、半ばに大作が。
岩木山をあらわした作品、2枚つないだ目の細かい布に白い山。幾つもの模様を不規則に組み合わせている。
いったいどこから刺しはじめたのか、設計図(刺し図)はあったのか。緻密な刺しにどれほどの時が費やされたのか。
言葉なく見入ることしかできなかった。
もう1点、一番奥の隅にひっそりと。
色糸、ぼかし使いの細長いタペストリー。
他の多くの作品が大物だから、何か遠慮がちな感。
染織、漆、金属、陶器、藤編など、全部で400点以上あったようだ。
こぎんは手工芸の展覧会に出品されることが多い。本格的な工芸の中では見え方が違い、丁寧に刺した大作が映えると気づく。
こぎん刺しは、目の揃った布に横に糸を刺すという制約がある。その単調な作業に時間を費やしてゆく。工芸としての道は険しいと感じた。