晴れ、風が冷たい。
あまり乗らない路線の初めての駅に降り立つ。よく乗る鉄道なら、駅の雰囲気もどことなく似ているのだけれど、見慣れないお店があったり、造りが違ったりして、自分がよそ者という気がしてくる。
だし茶漬けがこの駅のファストフード。そばじゃないのね。
駅前が寂しく、アパートに派手なネーミングがと思えば高齢者施設だったり、土がむき出しの区画がいくつかあったり、これからどうなるのかと気になる。
中に、古くから続いているとおぼしきお店も。鍵屋さん、ケーキ屋さん。
ケーキ屋さんはシュークリームがお勧めらしく、手書きの貼り紙。間口が狭い上に貼り紙があっては、ショーケースは外からよく見えない。とにかく入れということか?
帰りにまた通ったら、「5分でデコレーションケーキ作ります」とあるのに気づいた。ほんの一時、昭和にタイムスリップ、職人さんの姿が浮かぶよう。
きっと四、五十年前は、こんなお店が並び、店主の心意気でまちが成り立っていたのだろうな。
次世代が育たない社会になったことが、残念でならない。