晴れ、麗らか。夜には満月に会えた。
松戸の戸定邸へ。雛飾りがあり華やか。
運よくボランティアガイドさんに合流、何度か訪れたのに知らなかった話が幾つもあり、貴重なひととき。
歴史館にも寄り、明治時代の写真と変わらない外観に、改めて歴史を感じた。
奥の庭園は、梅満開。紅の濃淡に白梅、とりどりの個性。
邸の庭は工事していて、建てた当時のように復原するという。
私からは馴染みのない姿、そこにいた樹を立ち退かせるとはと、つい否定的になるけれど、邸を築いた時にも多くの草木が移動を余儀なくされたことを思えば、今感じたことは義憤にもならないささいな感情なのだろう。
邸の客間から見えた紅白二本の梅は、門へ続く坂の下の方へ移され、まだ痛々しくも満開。早く落ち着くよう願った。
松戸神社にも寄り、お参りすることができた。
建物などは新しく、ご神水が龍から流れており、水神社もある。私の感覚では御神木の方が清しい。
清しさを感じるのは、神社ゆえ。
こちらよりも、私は戸定邸の丘の上の清しさの方が身に馴染むような好ましい感じがした。古い建物が残るのは、何かに守られているからだろう。戦災や震災でも傷まなかった(3.11の時もたくさんあるガラス窓への被害はほぼ無)と聞き、なおさらそのように思う。地盤がしっかりしている上、丘の上なら水の害もない。坂川近くの神社よりも恵まれているように感じる。
あの地のよさを引出し、後の世に伝えたのは、邸の主、徳川昭武氏の慧眼と、職人の技や引き継いだ人々。これからも永く繋いでいかれますように。