こぎん刺し、この頃はあちこちで見かけるけれど、複雑な気持ち。
アレンジしたカラフルでかわいいものは、こぎん風模様と呼びたくて。
津軽の地で続いた模様をこぎん刺しと呼びたくて。
これは、農民の着物のこぎんに惹かれた、青森にゆかりもない小学生だった私の感覚。だから偏っているとは思う。
でも、人々の手で続けてこられたという部分は、大事にしたい。
こぎん模様の部屋をデザインしたり、kogin.net
を営んだり、こぎんを広める活動をされている山端家昌さん。
こぎんをデザインとしてみる彼の感覚を知ってから、手仕事として、連綿と続いてきたところを好きなんだと気がついた。
こぎんの部屋に泊まれば、多分そこで満足する。
こぎんを刺した時間や想いを手にしたら、それを感じるごとに気持ちが満ちる。
その深さこそ、こぎん刺しの持ち味。
ありあわせの布に、自分なりに考えて刺し始めた子どもだった私。津軽とはゆかりがないからと、どこか遠慮があるけれど、私は津軽こぎん刺しの刺し手でいたい。