音のない世界での、おしゃべり。
近くにもあるはずの、その場所。
そこへ誘う催し、ダイアログ・イン・サイレンス。
念願だったその世界へ、先日行きました。
聴覚障害のあるアテンドに案内され、他の10人の参加者と過ごした90分。
話すことは、声も、手話も、禁止の約束。
通じることも、わからないことも、あります。
それでも時間は、プログラムは、進んでいき、
わからないことはそのままに、わかったことは淡く感じ取ったままに、
次の場所へと案内されていきます。
その解り方の、頼りないこと。
いつもと違うルートで受け取る心もとなさ。
身なりより、人そのものが目に入り、
伝わるときの感覚は響き、
いつもと違う形のエネルギーが行き交っていく。
はじめはぎこちなかった時間の流れが、いつの間にかスルッと流れ、
最後に、いつもの世界にいくと、いつもの感覚へ。
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音のない世界のコミュニケーションは、私にはハードル高いと思っていました。
体調が低値安定なので、省エネモード、動作控えめで過ごしていますし、
疲れると反応が鈍くなり、表情も出なくなりますから。
実際、体の反応が鈍くて もどかしいことはありましたし、
アテンドさんから反応が薄いと指摘された場面もありました。
でも、それを承知で参加しましたから、
その時の私の精一杯でいいんだと、場に任せました。
正直、鈍い私がいたせいで共鳴しなくて盛り上がらなかったのでは?と思いました。
(場の流れに添えなくて、和を乱している感じ)
けど、盛り上がれる人も、そうでない人もいるのは、当たり前ですよね。
たまたま聴こえない人が世の中にいるように、
たまたま身体表現が難しい人も世の中にいる。
困った/助けたいと感じたら、相手と関わりたいと思ったら、その時にできることをしていけばいいだけで。
場に添えない感覚は、身体表現の言語障害だったからかもしれません。
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声が伝わらなくても、あんなふうに/あそこまで、コミュニケーションできる。
疲れているなりに、大丈夫、何とかなる。
そんな感覚を知ることができました。
ツアーの仲間に恵まれて過ごした、
あっという間の、貴重な90分でした。
アテンドのジョニーさん、頼もしかった!
偶然のご縁でご一緒したみなさん、ありがとうございました。
次回開催は来年。
また行きたいな。