おやまーの日々

好きなもの、気になること、日々あれこれ

14110日目のありがとう

少し雲広がる。猛暑日から解放された様子。

 

冷房で締切の場所より、風が流れる外が気持ちよい。

そうして歩いていて、ふと、線路越しに窓を見上げた。

 

その窓には、時折模造紙に大書きされたメッセージが貼られる。

高校球児、サッカー代表の頑張りや、母ちゃんからの若者へ、応援や労りのメッセージ。

時にはカラーで、時にはイラスト付きで。

 

私がこの町に来たときには、大抵何かしら書いてあり、通るのが楽しみだった。

そのうち、私の生活が変わってからはあまり通らなくなり、いつしか窓を見上げてもカーテンだけのことが増えた。

 

母ちゃんのメッセージはこれが最後と書かれていたのは、2ヶ月ほど前だったか。その後、メッセージは外され、カーテンが閉まっていて、今日。

 

"ありがとう"の文字がガラスに貼ってある。

1階の店のシャッターは閉められ、貼り紙が見える。

ああ、どこかに越されたのだろうか。

 

窓のメッセージをどうして始められたか伺いたいと思いながら、お礼を伝えたいと思いながら、少し足を伸ばすのを怠ったばかりに…。

 

私の親の世代が築いた個人経営の店は、無くなっていくばかり。

心のすき間に風が流れてゆく。